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STP分析のやり方|自部署のマーケティング戦略に活かす方法

公開日:2026年09月17日 タグ:

「自社の商品には強みがあるはずなのに、競合との違いをうまく説明できない」「幅広い顧客に届けようとして、かえって訴求が曖昧になっている」。このようなときに役立つのがSTP分析です。

STP分析では、市場をいくつかの顧客層に分け、重視する顧客と自社の立ち位置を明確にします。本記事では、STP分析の基本的なやり方から、自部署のマーケティング戦略に活かす方法まで、架空の例を交えて分かりやすく解説します。

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この記事を届けたい人

・STP分析のやり方を基本から知りたい人
・自社や自部署が重視すべき顧客を明確にしたい人
・競合との違いを整理し、マーケティング戦略に活かしたい人

STP分析とは?3つの要素と役割

STP分析とは、市場を顧客の特徴やニーズによって分け、「誰に、どのような価値を提供するか」を考えるためのフレームワークです。

STPは、次の3つの言葉の頭文字から取られています。

Segmentation(セグメンテーション):市場を分ける
Targeting(ターゲティング):重視する市場を選ぶ
Positioning(ポジショニング):市場における自社の立ち位置を決める

市場全体を同じ顧客の集まりとして捉えると、ニーズの違いを把握しにくくなります。そこで、市場をいくつかの顧客層に分け、自社が重視する層を選びます。そのうえで、競合と比べてどのような価値を提供するのかを明確にするのが基本的な流れです。

STP分析は、新規事業を検討するときだけでなく、既存の商品やサービスの訴求を見直す場合にも活用できます。

 

STP分析を行う目的

STP分析の主な目的は、顧客ニーズを把握し、自社が狙う市場と競合との違いを明確にすることです。

対象とする顧客が具体的になれば、商品やサービスの内容、情報発信、営業方法なども考えやすくなります。限られた人員や予算を、優先度の高い顧客へ集中させる判断にも役立つでしょう。

ただし、自社が強みだと考えている特徴が、顧客にとっても魅力的とは限りません。自社の都合だけで考えず、「顧客が自社を選ぶ理由」を見つけることが重要です。

 

STP分析を始める前に準備すること

STP分析に取り組む前に、分析の目的と対象範囲を決めておきましょう。準備をせずに顧客の分類から始めると、途中で何を判断したいのか分からなくなることがあります。

 

分析する目的と範囲を決める

最初に、何のために分析するのかを明確にします。目的の例は次のとおりです。

  • 新規顧客を獲得したい
  • 既存商品の訴求を見直したい
  • 競合との違いを明確にしたい
  • 自部署の営業先や施策の優先順位を決めたい

 

会社全体では範囲が広すぎる場合は、自部署が担当する商品、サービス、地域、顧客などに限定します。主任や係長の立場でも、自部署の担当範囲であれば取り組みやすくなります。

 

顧客・競合・自社の情報を集める

分析には、顧客アンケート、問い合わせ内容、販売実績、アクセスデータ、営業担当者が持つ顧客情報などを活用します。競合については、公式サイトに掲載された料金、機能、対象者、訴求内容などが参考になります。

大切なのは、確認できた事実と社内の推測を分けることです。十分な情報がない場合は仮説として整理し、後から顧客の声やデータで確かめます。

 

STP分析のやり方を3つのステップで解説

STP分析は、基本的にセグメンテーションターゲティングポジショニングの順に進めます。ただし、一度決めたら前の段階へ戻れないわけではありません。3つの内容に矛盾があれば、必要な段階へ戻って見直します。

 

ステップ1.セグメンテーションで市場を分ける

セグメンテーションでは、似た特徴やニーズを持つ顧客をグループに分けます。代表的な分類の観点は次のとおりです。

  • 地理的な違い:地域、気候、都市の規模など
  • 属性の違い:職業、役職、企業規模など
  • 心理的な違い:価値観、関心、抱えている課題など
  • 行動の違い:購入経験、利用頻度、利用目的など

たとえば法人向けサービスなら、「企業規模」だけで分けるのではなく、「従業員数が少なく、研修担当者がほかの業務を兼任している企業」のように、複数の観点を組み合わせることもできます。

分類は細かければよいわけではありません。グループごとにニーズや行動の違いがあり、その違いを施策へ反映できるか確認しましょう。

 

ステップ2.ターゲティングで重視する顧客を選ぶ

ターゲティングでは、分けた市場のなかから、自社が優先して対応する顧客層を選びます。

判断するときは、次のような点を確認します。

  • 顧客が抱える課題やニーズが明確か
  • 一定の市場規模や今後の需要が見込めるか
  • 自社の商品やサービスの強みを活かせるか
  • 競合がどの程度存在するか
  • 広告、営業、販売経路などを通じて顧客へ到達できるか
  • 自部署の人員や予算で対応できるか

幅広い顧客を対象にすれば、より多くの人へ届けられるように見えます。しかし、顧客によって課題が大きく異なる場合は、提供価値やメッセージが曖昧になりかねません。

対象を選んだら、「なぜこの顧客層を重視するのか」を説明できるようにしましょう。

 

ステップ3.ポジショニングで競合との違いを決める

ポジショニングでは、選んだ顧客層から見て、自社が競合とどのように違うのかを明確にします。

比較する項目には、価格、機能、品質、専門性、使いやすさ、導入の手軽さ、サポート体制などがあります。自社が優れていると思う項目ではなく、顧客が商品やサービスを選ぶ際に重視する項目で比較することがポイントです。

また、「サポートが充実している」といった抽象的な表現だけでは、違いが伝わりません。対応時間、相談方法、支援内容など、その価値を裏付ける事実も確認します。

 

ポジショニングマップで自社の立ち位置を確認する

ポジショニングマップとは、2つの比較軸を使い、自社と競合の位置関係を図にしたものです。

たとえば、横軸を「手軽に学べる―専門的に学べる」、縦軸を「低価格―高価格」とし、自社と競合を配置します。顧客が商品やサービスを選ぶ際に重視する項目を軸にすると、自社と競合の違いや重なりを確認しやすくなります。

2つの軸には、できるだけ異なる観点を選びましょう。「低価格―高価格」と「購入しやすい―購入しにくい」のように、意味が近い軸を使うと比較が偏ります。

また、マップ上に競合がいない場所があっても、そこに需要があるとは限りません。市場の空白を見つけるだけでなく、顧客がその価値を求めているか、自社が提供できるかまで確認する必要があります。

 

架空例で見る自部署へのSTP分析の当てはめ方

ここでは、法人向けオンライン研修サービスを担当する部署を例に考えてみます。
*以下は手順を説明するための架空の例であり、実在する企業やサービスの分析ではありません。

 

顧客を分けて重視する対象を選ぶ

まず、顧客企業を「企業規模」「研修対象者」「抱えている課題」「希望する学習方法」などで分類します。

その結果、次のような顧客層が見えてきたと仮定します。

  • 管理職研修を体系的に整えたい大企業
  • 管理職候補者の育成方法に悩む中小企業
  • 短時間で学べる研修を探している企業
  • 個別指導を含む研修を求める企業

自部署のサービスが短時間のオンライン学習を強みとしているなら、「管理職候補者を育成したいが、集合研修を行う時間や担当者が不足している中小企業」を重視する選択肢が考えられます。

 

競合との違いから提供価値を言葉にする

次に、競合サービスと学習時間、内容、受講方法、サポートなどを比較します。

比較の結果、自部署の強みが「業務の合間に学べる短い動画」と「習得状況を確認できるテスト」にあると仮定しましょう。この場合、分析結果は次のようにまとめられます。

「集合研修を実施する時間が取りにくい中小企業に対し、管理職候補者が業務の合間に学び、理解度も確認できるオンライン研修を提供する」

このように、「誰に・どのような価値を・競合とどう異なる形で提供するか」を一文にすると、施策や部署の方向性を共有しやすくなります。

 

STP分析で失敗しないための3つの注意点

社内の思い込みだけで判断しない

「この層が購入するはず」「この機能が評価されているはず」といった推測だけで分析を進めると、実際の顧客ニーズとずれる可能性があります。

顧客の声や利用データを確認し、推測を使う場合は仮説として扱いましょう。

 

競合がいない市場を無条件に選ばない

競合が少ない市場は魅力的に見えますが、十分な需要がないために参入企業が少ない可能性もあります。

競合の数だけでなく、顧客ニーズ、市場規模、自社が継続して価値を提供できるかを確認することが大切です。

 

一度の分析で完成と考えない

市場、顧客ニーズ、競合の状況は変化します。施策を実施した後は、問い合わせ、購入、利用状況などを確認し、想定した顧客に価値が届いているかを検証しましょう。

結果が想定と異なる場合は、ターゲットだけを入れ替えるのではなく、S・T・P全体のつながりを見直します。

 

STP分析の結果を自部署のマーケティング戦略に活かそう

STP分析では、市場を分け、重視する顧客を選び、競合との違いを明確にします。分析表やポジショニングマップを完成させることが目的ではありません。

分析結果を「誰に、どのような価値を、競合とどう異なる形で提供するか」という言葉にまとめ、商品・サービス、情報発信、営業などの施策へ反映することが重要です。

最初から完璧な分析を目指す必要はありません。まずは自部署にある顧客情報や問い合わせ内容を確認し、担当する商品やサービスに範囲を絞って始めてみましょう。

さらに、決めた方向性を実行するには、メンバーや関係者へ分かりやすく伝え、共通認識をつくる力も求められます。

N-Academyの「管理職向けリーダーシップ強化」は、STP分析そのものを学ぶ講座ではありませんが、組織の方向性の確認、チームビジョンの構想・共有、周囲を巻き込むリーダーシップなどを学べます。STP分析で整理した方向性を自分の言葉で示し、チームの行動へつなげたい方は、学習の選択肢としてご覧ください。

 

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    編集者情報

    株式会社デジタル・ナレッジ
    サービス推進事業部 事業部長 野原 成幸
    わからないことはインターネットで検索していた時代から、AIに質問することでさらにスピーディーに解決できる時代になりました。多くの場合、解決して終わりだと思いますが、「これについてもっと知りたいな」「学んでみたいな」ということも少なからずあるのではないでしょうか。
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