SWOT分析のやり方を初心者向けに解説|自部署の戦略を整理する3ステップ
部署の今後について考える場面では、「課題はいくつか思い浮かぶものの、何から整理すればよいか分からない」ということがあります。
こうした状況を整理するときに使える方法のひとつがSWOT分析です。自部署が持っている特徴と、周囲で起きている変化を分けて考えることで、今後どこに力を入れるべきか検討しやすくなります。
この記事では、SWOT分析の基本から具体的なやり方まで、初心者向けに解説します。さらに、架空の部署を例に、分析した内容を実際の施策へつなげる流れも紹介します。
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目次
SWOT分析とは?4つの視点から現状を整理する方法

SWOT(スウォット)分析は、自社や自部署について「強み」「弱み」「機会」「脅威」の4つの視点から現状を整理する方法です。
名前は、それぞれを表す英単語の頭文字から付けられています。
Weakness:弱み
Opportunity:機会
Threat:脅威
4つの要素を整理することで、自分たちにどのような特徴があり、周囲でどのような変化が起きているのかを把握しやすくなります。その内容をもとに、今後の方向性や優先すべき施策を考えていきます。
強み・弱みは自部署の中にある要素
強みと弱みは、自社や自部署の内部にある要素です。
たとえば、次のような内容が考えられます。
・顧客との関係が長く続いている
・独自のノウハウが蓄積されている
・一部の担当者に業務が集中している
・新しい顧客へのアプローチ方法が少ない
このうち、自部署の目標達成にプラスとなる特徴を「強み」、マイナスとなる要素を「弱み」として整理します。
同じ特徴でも、目的が変われば評価も変わる場合があります。そのため、「良いことか悪いことか」だけで判断するのではなく、今回の目的にどう影響するかを考えることがポイントです。
機会・脅威は自部署の外で起きていること
機会と脅威は、市場や顧客、競合、技術など、自部署の外側にある要素です。
自部署にとって有利に働きそうな変化は「機会」、不利な影響を与える可能性があるものは「脅威」として考えます。
たとえば、市場の拡大や新しい顧客ニーズの発生は機会になり得ます。一方、競合サービスの増加や顧客ニーズの変化は、状況によって脅威になることがあります。
判断に迷った場合は、「自分たちの部署の中にあるものか、それとも外から受ける影響か」という視点で分けてみると整理しやすくなります。
SWOT分析のやり方|まず目的と範囲を決めよう

SWOT分析では、最初から強みや弱みを書き出すよりも、まず「何を考えるための分析なのか」を決めておくことが重要です。
目的が決まっていないと、関係する情報が広がりすぎてしまい、4つの項目を埋めても次の行動につながりにくくなります。
分析する目的を具体的にする
最初に、「今回のSWOT分析で何を考えたいのか」を決めます。
たとえば、
- 来期の部署方針を考えたい
- 新規顧客を増やす方法を検討したい
- 売上が伸び悩んでいる要因を整理したい
- 業務改善で優先する課題を見つけたい
といった目的が考えられます。
「部署の現状を分析する」だけでは範囲が広すぎます。「来期の新規顧客獲得策を考える」など、できるだけ具体的に設定したほうが、必要な情報を選びやすくなります。
初めてなら自部署など身近な範囲から考える
SWOT分析の対象は、会社全体でなければならないわけではありません。目的に応じて、事業や組織、プロジェクトなどに範囲を設定できます。
主任・係長クラスや管理職候補者が仕事で活用するなら、自分が日頃から関わっている部署を対象にすると取り組みやすいでしょう。
実際の状況を把握できている範囲で分析することで、課題の整理だけで終わらず、自部署で実行できる施策まで考えやすくなります。
SWOT分析のやり方を3ステップで実践

目的と分析対象を決めたら、具体的に情報を整理していきます。
ここでは、「内部を整理する」「外部を見る」「組み合わせて施策を考える」という3つのステップで進めます。
ステップ1|自部署の強みと弱みを整理する
まずは、自部署の中にある特徴を書き出します。
考える際には、次のような観点が使えます。
- メンバーが持っている経験やスキル
- 業務を進める体制
- 商品やサービスの特徴
- 顧客との関係
- これまで蓄積したノウハウやデータ
たとえば、顧客からの質問に短時間で回答できている実績があるなら、対応力を強みとして考えられます。
反対に、特定の担当者がいなければ業務が進まない状態であれば、弱みとして整理できるでしょう。
自分たちの印象だけではなく、実績や顧客の声、他部署や競合との比較なども参考にすると、思い込みだけに偏りにくくなります。
ステップ2|自部署に影響する機会と脅威を探す
続いて、自部署の外に目を向けます。
確認する対象には、次のようなものがあります。
- 顧客ニーズの変化
- 市場の動向
- 競合企業や競合サービス
- 新しい技術
- 社会環境や制度の変化
ここでは、SWOTの表を眺めながら想像するだけではなく、普段の業務で得ている顧客の声や、市場・競合について調べた情報を材料にします。
同じ変化でも、すべての企業や部署に同じ影響を与えるとは限りません。
「この変化は、自部署にどんな影響を与えそうか」と考えながら、機会と脅威に振り分けていきましょう。
ステップ3|整理した情報から施策を考える
4つの要素が揃ったら、今度は組み合わせながら自部署の方向性を考えます。
この考え方は「クロスSWOT分析」と呼ばれます。
たとえば、次のような問いを使うと考えやすくなります。
強み×脅威:自部署の強みを使って、外部の変化にどう対応するか
弱み×機会:機会を逃さないために、どの弱みを改善するか
弱み×脅威:弱みと外部リスクが重なったとき、影響をどう抑えるか
すべての組み合わせについて施策を作る必要はありません。
分析の目的に戻り、自部署にとって重要度が高く、実行につなげやすいものから検討していきます。
自部署を例にSWOT分析をやってみよう

ここでは、架空の営業部を例に、SWOT分析から施策を考える流れを見てみましょう。
この営業部では、「新規顧客を増やすこと」を今回の分析目的とします。
4つの要素を整理する
仮に、営業部について次のような状況が確認できたとします。
弱み:新規顧客との接点を作る方法が少ない
機会:Webでサービスを比較する顧客が増えている
脅威:同じ分野に新しい競合サービスが登場している
これはSWOT分析の流れを説明するために設定した架空の例です。
今回の目的は「新規顧客を増やすこと」なので、その目的に関係する特徴や環境変化を中心に整理しています。
部署について思いつく内容をすべて並べるのではなく、分析の目的に必要な情報を選ぶことが大切です。
強みと機会を組み合わせて施策にする
次に、「既存顧客との関係が長い」という強みと、「Webで比較する顧客が増えている」という機会を組み合わせて考えてみます。
たとえば、
「既存顧客にサービス導入後の感想を聞き、その内容を事例としてWebで紹介する」
という施策が考えられます。
既存顧客との関係を活かしながら、新規顧客との接点を増やす方法です。
4つの項目を書き出しただけでは、実際に取り組む内容は決まりません。整理した情報同士を結び付け、「自部署では何をするのか」まで具体化していくことがSWOT分析を活用するポイントです。
SWOT分析を仕事で活かすための3つの注意点
SWOT分析は比較的シンプルな方法ですが、使い方によっては曖昧な分析になってしまいます。
自部署の戦略や施策につなげるために、次の3点を意識しましょう。
主観だけで判断しない
「対応力が高い」「商品力がある」といった評価は、部署内では当たり前になっていても、外部から見れば必ずしも強みとは限りません。
できる範囲で、
- 売上などの実績
- 顧客から寄せられた意見
- 問い合わせ内容
- 他部署や競合との違い
- メンバーからの意見
などを確認し、判断材料を増やしましょう。
また、複数のメンバーで意見を出すことで、一人では気づかなかった特徴が見つかる場合もあります。
SWOT分析だけで情報収集を終わらせない
SWOT分析は、自部署の内外にある情報を整理する際に使える方法です。
ただし、SWOTの4つの枠そのものが、市場や顧客、競合について必要な情報を集めてくれるわけではありません。
外部環境について判断するのであれば、顧客から得た情報や市場動向、競合の状況などを確認し、その結果をSWOTの中で整理します。
「SWOT分析は時代遅れなのでは」と感じる場合も、手法の新しさだけで判断するのではなく、何を整理するために使うのかを考えることが大切です。
実行できるレベルまで施策を具体化する
分析結果として「強みを活かす」「弱みを改善する」と決めても、そのままでは行動に移せません。
施策を考えたら、
- 具体的に何を行うのか
- 誰が担当するのか
- どの取り組みから着手するのか
まで落とし込みましょう。
部署の会議でSWOT分析を行う場合も、分析結果を資料に残すだけではなく、その後の行動につなげることが重要です。
SWOT分析を自部署の戦略づくりに活かそう

SWOT分析を使うと、自部署の中にある「強み・弱み」と、周囲にある「機会・脅威」を分けて整理できます。
まずは分析する目的と対象を決め、自部署の内部と外部について必要な情報を集めます。そのうえで4つの要素を組み合わせ、自分たちが次に取り組む施策を考えてみましょう。
初めて取り組む場合は、部署全体について網羅的に分析しようとしなくても構いません。「来期の新規顧客獲得策を考える」など、具体的なテーマをひとつ決めて始めると整理しやすくなります。
管理職や管理職候補者として自部署の方向性を考える際には、SWOT分析に加えて、経営戦略やマーケティング、会計、論理的な考え方など、複数の視点を持っておくことも役立ちます。
N-Academyの「管理職向け経営知識強化」講座では、今回取り上げたSWOT分析を含む経営戦略のほか、マーケティング・会計・ロジカルシンキングについて学べます。
SWOT分析をきっかけに、部署の戦略を考えるための知識をさらに広げたい方は、体系的に学ぶ方法のひとつとして活用してみてください。
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編集者情報
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株式会社デジタル・ナレッジ サービス推進事業部 事業部長 野原 成幸 |
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