若手リーダーに必要な“巻き込み力”とは?入社3年目からの成長戦略

入社して3年。仕事の流れもわかり、自分の担当業務もスムーズにこなせるようになってきた──。
そんな中でふと感じる「もっと成果を出したい」「チームに貢献したい」という思い。
ですが、がんばっているのに思うように評価されなかったり、プロジェクトが思い通りに進まなかったり……といった壁に直面する方も少なくありません。
実はその課題を突破するカギとなるのが、“巻き込み力”です。
自分ひとりの力では届かない成果も、周囲の協力を得ながら動くことで、チームとして大きな結果につなげることができます。そしてこの巻き込み力こそが、若手からリーダーへとステップアップするために欠かせないスキルなのです。
本記事では、「巻き込み力とは何か?」から始まり、その構成要素、実践ステップ、そして得られるビジネス効果までを具体的に解説していきます。入社3年目から一歩抜きん出たい方に向けた“成長戦略”として、ぜひお役立てください。
・入社3~5年目で、自分のキャリアに焦りを感じている若手ビジネスパーソン
・役職がつき始めたが、チームをまとめることに自信がない主任・係長クラスの社員
・後輩の指導やプロジェクト推進を任されたが、どうやって周囲を動かせばいいか悩んでいる人
目次
なぜ若手リーダーに“巻き込み力”が必要なのか?
職場では、入社3年目以降の社員には「自分の業務をこなすだけでなく、周囲を動かしながら成果を出すこと」が期待されるようになります。
このタイミングで求められるのが、チームを動かす“巻き込み力”です。単なる指示待ち型のリーダーでは、今のビジネス環境には対応できません。
現代の職場では、上司・部下・他部署・取引先など、さまざまな関係者と協働しながら成果を出すことが当たり前。だからこそ「どう周囲を巻き込み、チームとして動けるか」が、リーダーの実力を決める分かれ道になります。
巻き込み力は、プロジェクトの推進力となるだけでなく、信頼関係を築くベースにもなり、キャリアアップの礎となるのです。
“巻き込み力”を構成する3つのスキル
巻き込み力とは、「人に頼る」「声をかける」といった単純な行動だけを指すものではありません。そこには、相手が納得し、共感し、自発的に動きたくなるような“影響力”が必要です。
ここでは巻き込み力を支える3つのコアスキルを紹介します。
1. 論理的思考力
相手を巻き込むには、「なぜそれが必要なのか」を筋道立てて説明できることが重要です。
曖昧な提案では人は動きません。MECE(漏れなくダブりなく分ける)や、演繹法・帰納法を活用して、誰が聞いても納得感のある説明を心がけましょう。
2. コミュニケーション力(傾聴と共感)
一方的な押しつけでは、協力を得ることはできません。
「自分の意見をきちんと受け止めてくれる人」には、人は自然と協力的になります。傾聴の姿勢や共感の言葉を大切にすることで、関係構築がスムーズになります。
3. 行動力と率先力
「口では言うけど、自分は動かない」では、誰もついてきません。
自ら率先して行動する姿勢は、周囲に安心感と信頼を与え、「あの人が言うならやってみよう」と思わせる力を生み出します。
巻き込み力を鍛えるための3ステップ
巻き込み力は、特別な才能ではなく「日常の小さな行動の積み重ね」で育つスキルです。
ここでは、入社3年目からでも始められる具体的なステップをご紹介します。
Step1:小さな提案から始める
最初の一歩は、「発信すること」へのハードルを下げることです。
たとえば朝礼やチームミーティングで、「こんなやり方もあると思います」「○○を取り入れてみては?」といった軽い提案をすることから始めてみましょう。
大事なのは、完璧な意見や画期的なアイデアである必要はないということ。むしろ、日常業務の中で感じたちょっとした改善点や「こうしたほうがよさそう」と思う気づきを言葉にすることが、信頼と影響力の第一歩です。
さらに、自分の提案に対して周囲の反応を観察することで、「どんな伝え方だと納得されるのか」「どのタイミングが効果的か」といった実践的な気づきが得られます。
💡ポイント:反応がなくても落ち込まず、提案し続けることが成長につながります。
Step2:1on1や雑談で“聴く力”を意識
巻き込み力は、発信だけでなく「受信の質」によっても左右されます。
特に、後輩や同僚との1on1の場、休憩時間の雑談などで“聴く姿勢”を意識することが、信頼関係のベースになります。
相手が話す内容をただ聞き流すのではなく、「なるほど、それは大変だったね」「それって、こういうこと?」といったフィードバックを返すことで、相手は「理解しようとしてくれている」と感じ、心を開いてくれます。
また、相手の関心事や困っていることを日々の会話から拾っておくと、「〇〇について、こういう資料を見つけたよ」と後からフォローできるようになります。これは信頼を積み上げる絶好のチャンスです。
💡ポイント:会話を「情報収集の場」として活用する意識が、巻き込みの準備になります。
Step3:チームで動く場面に積極的に関わる
巻き込み力を実践的に鍛えるには、「チームで動く」経験が不可欠です。
たとえば、歓迎会やイベントの幹事役、業務フローの改善プロジェクトなど、「ちょっと面倒だけど誰かがやらなければいけない役割」にこそ、巻き込み力を発揮する場面があります。
このとき、全てを自分で抱え込むのではなく、「○○さん、得意だからお願いしてもいい?」などと人に声をかけて協力を得る経験が重要です。
こうした「人を巻き込みながら目的を達成する体験」が、自然と影響力の幅を広げていきます。
また、関わったメンバーに対して「ありがとう」「助かったよ」といった感謝の言葉を積極的に伝えることも、リーダーとしての信頼を高める鍵となります。
💡ポイント:「自分で抱え込まずに人に頼る力」も巻き込み力の一部です。
巻き込み力がもたらす3つのビジネス効果
巻き込み力を身につけると、仕事の進め方や成果の質にも明確な変化が現れます。以下の3つは代表的なメリットです。
1. プロジェクトが円滑に進む
プロジェクトにおける最大の障害は「情報の断絶」や「連携不足」による停滞です。
巻き込み力のある人材は、関係者と早めにコミュニケーションを取り、目的やゴールを共有することで、合意形成をスムーズに進めることができます。
また、関係者の立場や考えを事前に把握し、それぞれのメリットを示しながら協力を促すことで、調整の手間を減らし、トラブルの未然防止にもつながります。
特に他部署との協業が多い企業では、「調整役として信頼される人材」は非常に重宝されます。
💡ポイント:「段取り力」も巻き込み力の延長線上にあります。
2. 上司や同僚からの信頼が高まる
巻き込み力を発揮できる人は、「自分だけが頑張る」のではなく、「チーム全体を見て動ける人」です。
こうした視点を持って動く姿勢は、上司から見ると“任せやすい人材”として映ります。
また、周囲のメンバーからも「一緒に仕事をしていて安心感がある」「困ったときに助けてくれる人」と評価されやすくなり、職場内での影響力が自然と強まります。
この信頼の積み重ねは、次のプロジェクトや抜擢のチャンスにもつながり、キャリアアップの追い風となるのです。
💡ポイント:信頼は「人を動かした量」に比例して高まります。
3. 成果が個人ではなく“チーム単位”で出せるようになる
現代のビジネスは、もはや「1人で成果を出す」時代ではありません。
チームで動き、周囲の力を活かしながら成果を最大化することが、組織にとっても自分自身にとっても価値のある働き方となっています。
巻き込み力のある人は、「この人と組めばうまくいく」と思われる存在になり、社内外からの信頼や協力を集めることができます。結果として、自分の成果だけでなく、チーム全体の成長や評価にも貢献できるようになります。
特に将来的にマネジメント職を目指す人にとって、チーム成果を生み出せる力は最も重要なスキルの一つです。
💡ポイント:巻き込み力は「成果を出す力」から「成果を引き出す力」への進化を促します。
まとめ ー「巻き込み力」はキャリアの分岐点を越える鍵
入社3年目以降は、プレイヤーからリーダーへの転換期。
このタイミングで巻き込み力を身につけられるかどうかが、今後のキャリアに大きく影響します。
論理性・共感力・率先力という3つの力を意識し、まずは身近なところから「巻き込み」の実践を始めてみてください。
小さな行動が、やがて組織を動かす大きな力へと変わっていきます。
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編集者情報
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株式会社デジタル・ナレッジ サービス推進事業部 事業部長 野原 成幸 |
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