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SNSでマンションや戸建てが売れる?驚きのSNS活用法とは

公開日:2024年04月04日 タグ:, , ,

2020年から始まったコロナ禍は、私たちのそれまでの生活、常識を一変させました。人との接触機会が減り、増える「おうち時間」。SNSの利用率は急増し、SNSを活用したビジネスが急拡大していきました。

とくに大きな変化を遂げた一つが、不動産業界です。

かつて住まいを借りる、購入するといえば不動産会社に直接足を運んで、物件情報を見て、手続きをして……というのが一般的でした。しかし、コロナ禍を堺にその「当たり前」は見事に壊され、いまや物件探しや内見、物件にいたるまで、スマホ1台でできるようになりました。

2022年5月には、宅地建物取引業法の改正にともない不動産取引の電子契約が全面解禁され、法的にも、消費者の意識的にも、不動産購入に対するハードルは、さらに下がったといえるでしょう。

その入り口となっているのが、YouTubeやTikTokといったSNSです。つまり、SNSで効果的なアプローチができれば、「人生において最も大きな買い物」と言われる戸建てやマンションのような高額商品を売り上げることも可能な時代となったのです。

今回は、そんな不動産業界におけるSNSやデジタルマーケティングの活用事例をご紹介していきます。

 

この記事を書いた人

株式会社吉和の森
代表取締役 森 和吉(もり・かずよし)
https://yoshikazunomori.com/

ウェブ解析士マスター、チーフSNSマネージャー

日本トレンドリサーチ調査によるデジタル・マーケティング会社サービス満足度、料金満足度、サポート満足度においてNo.1を受賞(2022年1月)。

「キャリア公式サイト」「広告サイト」など、アライアンスを中心とした50以上の月額公式サイト、100万人以上が利用するサイト、100以上のコンテンツの立ち上げ、集客化に成功。1日の売り上げが1億以上のソーシャルゲーム、カジュアルゲームの制作に携わるなど、さまざまな業態・業種にデジタル・マーケティングを取り入れ、企業に追い風を起こし続けている。

 

この記事を届けたい人

・不動産業界のマーケティング担当者
・デジタル・マーケティングについて勉強したい方
・SNS活用の他社事例を知りたい方

ターゲットの心を掴む情報発信で、多くの顧客と出会う!

 

物件の中の様子を動画で紹介する内見動画は、みなさんも一度は見たことがあるでしょう。

コロナ禍以前から存在はしていましたが、その内容は部屋の間取りなどを簡単に見せる程度のものがほとんどでした。

それがコロナ禍を経て、YouTubeやTikTokのショート動画が浸透すると

  • 家賃6万円以内で住める駅近物件
  • 都内、新築戸建てのルームツアー
  • 友達に自慢できるおしゃれな1LDK

など、よりニーズを深掘りした内容でサクッと見られるショート動画がグンと増えました。

もともとコロナ禍前から、

  • 間取り図だけではどんな家かわからなくて不安
  • いちいち不動産会社に内見を申し込むのは面倒
  • 遠方に住んでいて内見に行けない
  • 気になる物件を気軽に覗いてみたい

といったことは多くの人が感じていましたから、コロナ禍の「おうち需要」が後押しする形で、内見動画は一気に拡がっていきました。

内見動画のほかにも、「おしゃれな注文住宅の施工事例」や「賃貸契約の際の注意点」など、不動産にまつわるさまざまな情報を発信する不動産アカウントは数多く存在しており、フォロワー10万人超えのアカウントも少なくありません。中には、ないけんぼーいずのように不動産インフルエンサーから、不動産会社を立ち上げた事例もあります。

こうしたSNSによる情報発信は、第1回目の連載でお伝えしたデジタルマーケティングにおける3つのSTEPのうち、1つ目「認知拡大」に有効です。

▼「デジタルマーケティング」とは?Webマーケティングとはどう違う?

「デジタルマーケティング」とは?Webマーケティングとはどう違う?

キャッチーなタイトルや、まるで自分が実際に内見に来たようなアングルの動画、お役立ち情報を得られる動画などは、今住まいを探している人はもちろん、「将来こういう家に住みたい」と思っている人の興味も誘うことができます。

こうした「潜在顧客」は、すぐに問い合わせや売上にはつながりませんが、時間をかけて有益な情報を発信し続けることで、「こういう家に住むなら、この不動産会社にお願いしたい」という「見込み顧客」に成長する可能性は十分にあります。

ターゲットや潜在顧客が「今、知りたい情報は何か?」を徹底的にリサーチし、発信し続けることがとても大切です。

もうひとつ大切なのは、発信に使うSNSの種類です。例えば、Instagramは20〜40代の女性ユーザーが多く、TikTokは10〜20代の若年層が活発に利用、YouTubeは年齢・世代を問わず幅広い層が視聴しています。アプローチしたい人物像にマッチしたSNSを活用することで、より効果的な発信ができます。

 

オウンドメディアで問い合わせ3倍、売上5倍に!

SNSによる情報発信によって自社に興味を持ってもらえても、すぐに購入や契約に至ることはまずありません。なぜなら、ショート動画などの情報だけでは、見込み顧客の疑問や不安をすべて解消するのは難しいからです。

人間は誰しも「商品の購入で失敗したくない」という気持ちを持っています。特にマンションや戸建てのような大きな買い物をするときは、なおさらその心理が働き、できるだけ安心材料を集めておきたいと思うものです。そこで、役立つのがお役立ち情報サイト(オウンドメディア)による情報発信です。これはデジタルマーケティングの3つのSTEPの2つ目「見込み顧客による検討」に有効な手段のひとつです。

私が以前にお手伝いをした不動産会社の事例を紹介しましょう。

この会社は、「マンションや戸建ての販売」や「物件オーナー向けの賃貸経営サポート」を手掛けていますが、飛び込み営業やテレアポ営業では思うように集客ができないとお悩みでした。

そこで実施した施策のひとつが「オウンドメディアの立ち上げ」です。

具体的には、「不動産投資 アパート経営」など見込み顧客が興味や関心を持っていそうなキーワードを使ったSEOコラムを、月に20本制作。そのキーワードで検索した人をオウンドメディアに誘導し、問い合わせにつなげるものです。

キーワードの選定方法はいろいろありますが、この会社の場合は、これまで問い合わせをしてきた人たちがどんなキーワードで自社ページに辿り着いたかを調べ、最も多かったものを採用しました。

結果が出始めたのは、施策開始から半年ほど経ち、SEOコラムの制作が100本を超えた頃です。Googleの検索エンジンにおいて、採用したキーワードで検索1位の取得に成功。それからオウンドメディアへの訪問数は急増し、問い合わせは月に1,000件以上と、以前の3倍にも増えたのです。

さらに、自社のメールマガジンや公式LINEに登録した人には不動産に関する情報をまとめた冊子を無償でプレゼントする「リードマグネット」の実施やバナー広告の出稿など、その他の施策の効果も相まって、売上は5倍に伸び、月に1億ほどの物件が売れるようになりました。

キーワードに関連する情報を探して集まってきた顧客に対して、オウンドメディアなどで求められている情報を提供することで、「失敗したくない」と慎重になっていた顧客の心理は「この会社は欲しい情報を提供してくれる」「ここなら信頼できそうだ」と変化していきます。

そこへ、メールマガジンや公式LINEなどで、最新情報やその会社ならではの情報など「もう一歩踏み込んだ情報発信」を行う。すると、企業への信頼感、安心感はさらに高まり、問い合わせや申し込みにつながりやすくなるのです。

この不動産会社の事例は、デジタルマーケティングの力でこれだけ高い成果を得られるのだと、私自身も強く実感した出来事でした。詳しくは、自著『日本一詳しいWeb集客術「デジタル・マーケティング超入門」』に掲載していますので、ご興味があれば読んでみてください。

人気キャラクターとのコラボに問い合わせ殺到!SNSの効果的な発信が鍵

前回の記事では、異業種企業とのコラボレーションの事例を紹介しました。

▼「ステーキ」と「入れ歯」と「X更新」のコラボが売上120%をつくった

「ステーキ」と「入れ歯」と「X更新」のコラボが売上120%をつくった

不動産業界のコラボレーションで印象的だったものを紹介すると、不動産賃貸仲介・管理を手掛けるハウスメイトと、サンリオの人気キャラクター「マイメロディ」がコラボした賃貸住宅「マイメロディハウス」です。

居室の壁やトイレ、キッチン、廊下のクロスなど部屋中にマイメロディが描かれているほか、外観や共用部分にもキャラクターの世界観が投影されており、まさにファンには夢のような物件です。

周辺の物件相場より若干高めの賃料が設定されているにもかかわらず、入居者募集からすぐに問い合わせが相次ぎ満室に。現在も、全国のさまざまな場所に展開中です。

人気が集まった背景には、マイメロディの人気の高さだけでなく、効果的なプロモーションもありました。例えば、両社のWebサイトやSNS上では、物件の完成前からデザインコンセプト、建築の様子、空き状況などが発信されました。ファンの期待は高まり、SNS上では完成までのカウントダウンがされるほどの大盛況ぶり。投稿の拡散も手伝って、ファンだけでなく、一般の入居希望者に認知を広げることにもつながりました。

現在も公式ホームページには外観や室内の画像がたくさん紹介されていたり、YouTubeで内見動画が公開されていたりと、興味や関心を惹きつける工夫がされています。

💡 キャラクターをより多くの人が知ることで、ファンがさらに増える。

💡 みんなが住みたいと思う物件を提供することで、不動産会社の価値が高くなる。

 

まさにWin-Winのコラボレーションの好事例と言えるでしょう。

 

まとめ

不動産業界における、SNSやデジタルマーケティングの活用事例をご紹介しました。最近は、VR(バーチャル・リアリティ)を使った内見など、最新技術を駆使した不動産サービスも登場し、「現地に行かずに、おうちで買う、借りる」という流れは、今後さらに浸透していくと思われます。もっと言うと、不動産業界に限らずあらゆる業界でこの流れは加速し、SNSの重要性がさらに高まっていくことでしょう。

SNSの活用は、「すぐに結果に結びつかない」「小さなものは売れても大きなものは難しい」と考えている人が大半だと思います。しかし、不動産業界の事例のように、実際、大きな売上につながっているケースもあるのです。

ターゲットのニーズや心理の深掘、発信方法の工夫など、手間や時間はかかりますが、挑戦しない手はありません。もし、「もっと効果的な一手を打ちたい」「できるだけ早く結果を出したい」ということであれば、SNSの専門家やWebコンサルタントといったプロにアドバイスを求めるのも一案です。

ぜひ自社の商品やサービスの可能性を、SNSの活用でさらに広げてみてください。

もっと学びたい方へ|関連書籍

デジタル・マーケティング超入門著者:森 和吉
出版社:ぱる出版
発売日:2022年12月22日
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編集者情報

株式会社デジタル・ナレッジ
教育流通事業部 事業部長 中田 康宏
何かを学ぼうとして買った教材が、「なんか求めてたものと違った」なんてことありませんでしたか? これは、長きに渡りeラーニング市場で消費者を悩ませている解決すべき課題です。私たちは、これらの学びのミスマッチを少しでも減らすために、「学びのprestudy(予習)」となる情報を集めています。
何かを学ぼうという意欲がある人は、その学びで得たものによって多くの人の役に立とうとする尊い人たちです。私たちは、そんな学ぶ意欲を持つ尊い人達のために少しでもお役に立てればと思い、学びの予習となる記事を本メディアにて公開しています。