「自分を変えたいけど、なかなか変えられない。どうやったら変えられるのか」――大ベストセラー「夢をかなえるゾウ」の著者であり、N-Academyでは体育教師・水野愛也となって「スパルタ恋愛塾」を展開する水野敬也氏にインタビュー。自己啓発のエキスパートが語る、最強の意識改革法とは。2012年はまだ始まったばかり。さあ、“今”から自分を変えていこう!
人の心を動かすもの ―水野敬也と水野愛也―
――「恋愛塾」のスパルタ体育教師の水野愛也さんのイメージが強いのですが、実際にお会いすると、ずいぶんイメージが異なりますね。今年の正月に坊主にされたとか。水野:はい、「今年は坊主で行く!」と元旦に思い立ち、いきなりバリカンで剃りました。「オシャレは捨て、勝負の年」。そんな気持ちで、いまは非常にモチベーションも上がっています。
愛也は以前、恋愛の講演を依頼されたときに考えたキャラクターですが、ダサい体育教師というのがポイントです。恋愛を語るのはモテているヤツでないと普通は説得力を持たないけれど、自分で「モテてます」と言ってしまうとただ寒いだけですよね。そこで、モテないけど説得力だけはやたらあるキャラを作ったんです。絶対にモテないはずなのに、話はやけに上から来る。「おまえら!」と言われれば、人は話を聞かざるを得ないでしょう。そう思って愛也で講演をしたら、ウケまして。それから、彼が突っ走るようになりました。
――愛也がレクチャーする「モテる技術」は、先生ご自身の経験に基づくものなのですか?
水野:そもそも、僕が東京の大学に入った理由が「女の子にモテたい」から、なんですよ。
中高と男子校で女の子と話す機会もなかった僕が、「モテよう!」と頑張って。でもあるとき、「可愛い子とつきあうには、こちらもイケメンじゃないとダメ」と気づき、精神的に追い詰められるようになりました。そんなとき、綱島の駅前の書店で手に取った、分厚い恋愛マニュアル本の全頁に「男は顔じゃない」と書いてあったんです。僕はそれに感動して号泣し、その本を買って読みふけりました。あのインパクトは大きかった。僕があのときそうであったように、人の心を動かすような本をいつか書きたいなとしだいに思うようになったんです。
恋愛のマニュアル本を何百冊と読み、心理学関係も研究しました。就職活動で「大学生活で、何をやってきた?」と訊かれ、「モテるために、恋愛マニュアルを誰よりも多く読み、実践してきました」と正直に答えたぐらいです。話はウケましたが、どの企業も二次面接には呼んでくれませんでしたけどね。
同世代の人たちへ 「変えることが快感になる! 」
――“夢”をかなえるには、まず自分を変えないといけないですよね。そう思っていても、変えられないと悩んでいる人もいます。どうすれば、変わることができるのですか?水野:僕からのアドバイスは、「変えるなら、極端に変えろ」ということです。まず、何か極端な行動を起こしましょう。今、僕が皆に勧めているのは「坊主にする」ことです。え、会社員だからできないって? 会社とか周りに気を遣うことがまず、ナンセンス。そんなことを気にするから、いつまでも変えられないんです。坊主がいかによいものか、周りを説得するぐらいの気概が必要です。女子なら「持っている服を全部捨てる」といいね。今まで着なかった色の服を、升目を一つずつ埋めるように着ていってほしい。そこまでやらないと、絶対に自分は変えられません。
自分を変えるのは、最初は誰でも不安です。でも、一度やってしまうと快感になります。やるなら、大きく逸脱してみましょう。意外と大丈夫なものです。あとは、デビューの日付を自分で決めるだけ。これを読んでいる人はまさに“今”ですよ。
――なるほど、それで先生も坊主頭に…。思い切って自分の外見から変えろ、と。でも、そのモチベーションをずっと保つことができるのでしょうか?
水野:意識は必然的に変わります。僕自身、坊主にしたのは5回目か6回目ですが、今回は、ダサい坊主にしたことで華やかな場所を避けるようになり、仕事に集中できています。でも、その気持ちを維持するのは難しい。モチベーションは絶対に下がっていきますし、気持ちをまた上げるために、常に更新していく必要があります。“夢”に近づく新しい情報など刺激がないとダメですね。
また、続かない理由のひとつに、「努力が面倒くさい」というのがあります。その面倒くささを乗り越えるには、目的を極上のものに設定すればいい。「“夢”を実現する自分を妄想し、その妄想に栄養を与える」ことが大切です。“夢”に関する栄養を与えることで刺激され、面倒とは思わなくなりますよ。よい栄養を与えて妄想を育てる技術も大事ですけどね。
学ぶことと教えること ―自己啓発の面白さ―
――先生の次なる“夢”は何ですか?水野:教育のテーマパークをつくることです。テーマパークはさまざまな“夢”がかなう場所ですが、僕は、“夢”は現実でかなえられるべきものと考えているんです。今、僕らが目にするテーマパークは癒しの空間であり、現実逃避の装置でしかない。「夢をかなえるゾウ」や「恋愛体育教師」では、僕は読後に顔を上げたら今までの現実世界の見え方が変わってしまうようなものを目指していました。それを立体にしたらどうなるか、面白いのではないかと考えています。
あるテーマパークで実際に僕が見た光景ですが、月面歩行のブースがあり、係の人が子どもたちを相手に説明をしているのだけど、子どもたちは月の砂を触ることに夢中で誰も話を聞いていませんでした。その砂を僕も触ってみたら、サラサラしていてとにかく気持ちがいい! これに勝てなくてはダメだと思いましたね。砂のサラサラ感よりも面白いことで、砂を触る手を止め、振り向かせないといけないんです。恋愛塾の愛也がダサいジャージ姿で竹刀を振り回すのも、まず人を振り向かせ、話を聞かせようということから始まっています。いくらためになることを言っても、人が聞いてくれなければ意味がないですからね。
―― “夢”をかなえるための教育なのですね?
水野:そうです。僕らが子供のころから学校で学んできたことって、実生活ではまったく役に立ちませんよね。大学の4年間で学ぶことと愛也の教える恋愛術とでは、人生においては愛也のほうが重いし、役に立ちます。教育は人間の欲望に直結した中で成り立つもの。そこに、恋愛ほかいろいろなジャンルがあるわけです。
生きる上で知っておきたいこと。それを体験させることが教育だと僕は思っています。これからは、僕も人を育てる技術を身につけたいと思っています。近くにいる人をいかに育てるかということに興味があります。まず褒めて、さらにやりたいという欲望を作り出すことが大事かな。そのために、自分ももっと学んでいこうと思っています。





